「家族に迷惑をかけたくない」「自分の想いをきちんと遺したい」
そうした気持ちから遺言書を作成する方は年々増えています。
しかし、せっかく書いた遺言書が無効になったり、逆に家族を混乱させてしまうケースも少なくありません。
この記事では、新座市の行政書士はるとら事務所 藤田が、遺言書作成時の注意点やポイントを実務目線で解説します。
目次
「書けば安心」ではない遺言書の落とし穴
特に高齢の方や法的知識のない方が、独力で書こうとすると、形式ミスや記載不備が発生しがちです。
遺言書は、「書いた」という事実だけで安心するのではなく、内容の有効性と形式の正確さが求められます。
遺言書の種類と正しい選び方
遺言書には主に3つの方式がありますが、実務上おすすめできるのは以下の2つです。
◎ 公正証書遺言(最も確実)
- 公証人が作成・保管するため、改ざん・紛失リスクがない
- 無効になるリスクが非常に低く、相続手続きもスムーズ
- 費用はかかるが、もっとも安全で安心な方式
◎ 自筆証書遺言(法務局保管付き)
- ご自身で全文を手書きし、法務局に保管してもらう方式
- 家庭裁判所の検認が不要となり、手続きが簡素化
- 内容の法的チェックはされないため、行政書士や弁護士の確認を受けるのがおすすめ
△ 自筆証書遺言(自宅保管)
- もっとも手軽だが、紛失・未発見・改ざんのリスクが大きくおすすめできません
遺言書で失敗しないための5つのポイント
1. 財産は「特定できる形」で記載する
「預金」「土地」など抽象的な表現では不十分です。
通帳番号や地番など、誰が読んでも分かる形で記載することが大切です。
2. 相続人以外への配慮も忘れずに
「すべて配偶者へ」と遺した場合、親族が不満を抱く可能性があります。
必要に応じて、付言事項で気持ちや理由を丁寧に伝えることが効果的です。
あわせて「エンディングノート」の活用もおすすめです。
3. 法的に意味のある表現を使う
「感謝」「応援している」といった気持ちは大切ですが、法的効力はありません。
誰に・何を・どう渡すかを明確に記載する必要があります。
4. 自宅保管は避ける
書類が見つからなければ意味がありません。
自宅保管では、破棄や改ざんのリスクも高いため、法務局保管または公正証書遺言を選ぶべきです。
5. 数年ごとの見直しを習慣に
家族構成や財産内容は時間とともに変化します。
3〜5年ごとを目安に、遺言書の内容を見直しましょう。
遺言書は「想い」と「法的有効性」の両立が大切
遺言書は、気持ちだけでは効力がなく、法的な要件を満たして初めて意味を持ちます。
形式不備や曖昧な記載があると、無効となったり、相続人間の争いを引き起こす原因にもなります。
「想い」と「有効性」のバランスをとった遺言こそが、本当の安心につながります。
まとめ|まずは専門家にご相談を
- 遺言書は、書けばよいというものではなく「法的に有効」である必要がある
- 公正証書遺言がもっとも確実
- 費用を抑えたい場合は、法務局保管+専門家サポートという選択肢もあり
- 書いて終わりではなく、定期的な見直しを

