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「うちは子供がいないから、全部妻に渡るでしょ？」
そう思っている方は、法定相続と遺留分の仕組みをぜひ知っておくべきです。
この記事では、新座市の行政書士はるとら事務所 藤田が、法定相続人の順位・相続割合・遺留分の考え方をわかりやすく解説します。
1. 相続の基本ルール｜法定相続とは？
相続が発生すると、被相続人（亡くなった方）の財産は、民法に基づき決められた相続人へ引き継がれます。
これを「法定相続」といいます。
遺言書がない場合、このルールが自動的に適用されます。
2. 誰が相続人になる？｜法定相続人の順位
法定相続人の順位は、以下のとおり明確に定められています。
- 【常に相続人】配偶者（夫または妻）
- 【順位によって変動する相続人】
└ 第1順位：子（直系卑属）
└ 第2順位：親（直系尊属）
└ 第3順位：兄弟姉妹
📌 配偶者は常に相続人になります。
📌 子がいなければ、親 → 兄弟姉妹の順で相続権が移ります。
3. 相続の割合はどう決まる？｜法定相続分の基本
相続人の組み合わせに応じて、取り分（法定相続分）は次のように定められています。
- 配偶者＋子 → 配偶者1/2、子1/2（子が複数なら均等に分割）
- 配偶者＋親 → 配偶者2/3、親1/3
- 配偶者＋兄弟姉妹 → 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
🧾 例：遺産が3,000万円の場合（配偶者＋兄弟姉妹）
→ 配偶者：2,250万円／兄弟姉妹：750万円
4. 「遺留分」とは？｜最低限の相続保障
遺留分とは、法律で保障された最低限の取り分のことです。
たとえ遺言書で「全財産を特定の人に譲る」と記載されていても、遺留分がある相続人は、その分を主張することができます。
ただし、兄弟姉妹には遺留分がありません。
遺留分の割合（法定相続分に対して）
- 子のみ：法定相続分の1/2
- 配偶者と子：それぞれ法定相続分の1/2
- 配偶者と親：それぞれ法定相続分の1/2
- 親のみ：法定相続分の1/3
- 配偶者のみ：法定相続分の1/2
- 配偶者と兄弟姉妹：配偶者のみが主張可能（兄弟姉妹は対象外）
5. まとめ｜「遺言書で意志を残す」ことが最大の対策
- 法定相続では、配偶者だけが相続人になるとは限らない
- 子がいない場合、親や兄弟姉妹が相続人になるケースがある
- 遺留分は、配偶者・子・親にはあるが、兄弟姉妹にはない
- 意向を反映したいなら、遺言書の作成が確実で安全な方法
📌 相続トラブルを避けるには、「知識」と「準備」が欠かせません。
備えは“今”できるうちに進めましょう。